コエンザイムQ10でアルツハイマーの予防が出来る理由
増加する老人性痴呆症のなかでも、アルツハイマー型の痴ほう症にかかっているひとは、その半分近い割合を占めます。
近年では低年齢化も進んでおり、その数は今後ますます増えていくものと考えられています。
アルツハイマー型の痴ほう症は、記憶の欠落や判断力の障害などが起こる病気ですよね。
原因の一つには、老人班と呼ばれるタンパク質βアミロイドが大量に沈着することによるともいわれてもいます。
このタンパク質が異常なほどに沈着すると、知的機能や生理的機能が著しく低下するのです。
コエンザイムQ10には、実はこのβアミロイドを抑制する働きがあると注目されているのです。
そもそも、このような成分が大量に沈着するような異常な状態は、酸化ストレスによってミトコンドリアの機能が低下しているところからきているといわれています。
コエンザイムQ10は、ミトコンドリアの中に存在する成分であり、酸化を防ぐ抗酸化作用を持っている成分ですから、その異常の元となっている酸化ストレスに対して
有効に働くんですね。
ちなみに、アルツハイマー型の痴ほう症にかかったマウスを用いて実験を行ったところ、コエンザイムQ10を与えたマウスの脳内の酸化ストレスマーカーが抑制され、
βアミロイドが低下したという報告もあります。
さらにこのときには、記憶にも関わる脳の海馬での病変の抑制が見られたり、水の中に設けられた迷路での実験では認知機能の改善も確認されたようです。
アメリカの大学では、歳を取るごとにミトコンドリア機能が低下し、それによりアルツハイマー型の痴ほう症で見られるような認知機能の低下が引き起こるのではないか
という仮説もすでに発表されています。
コエンザイムQ10は、ミトコンドリアの中で生命活動に必要なエネルギーの産出に関わっている補酵素。
ですから、前述の仮説が正しければ、加齢により減少していくコエンザイムQ10を補うことで認知機能の低下も防げるということになります。
いずれにしても、アルツハイマー型の痴ほう症に対するコエンザイムQ10の効果が期待されています。